マンガやアニメに代表される「オタク文化」はかつて一過性のブームと思われていたが、近年高い人気を誇る一大文化に成長し、一部のティーンエイジャーのためというイメージはすでに過去のものとなった。マンガバルセロナはこうした「オタク文化」の進化に立ち会うとともに、それを積極的に支える役割を担ってきた。そして今年、マンガバルセロナを主催するFICOMICは、記念すべき30回目にふさわしい企画を盛り込みつつ精力的に準備に取り組んでいる。マンガバルセロナ事務局長メリチェル・プッチは次の声明を発表した：「今から30年前、マンガイベントの開催はリスクの伴う決断だったが、関係者の間には何としても開催すべきという強い信念がありました。今、その考えは正しかったことが証明されました。この30年を通じて本イベントは確実な成長を続け、出版社や関連機関、そしてもちろん日本との結びつきを強固なものにしてきました」。

特別な節目を迎える今年のマンガバルセロナには高い期待に応えるコンテンツが必要であり、正式な発表までに時間を要したものの、それを補って余りある発表が行われた：ここ数十年で最も高い評価を得ているマンガ界の巨匠、浦沢直樹をメインゲストおよび公式ポスターのクリエイターとして迎えることになったのだ。『MONSTER』『20世紀少年』『PLUTO』そして『YAWARA！』等の作品で知られる浦沢直樹は今年のマンガバルセロナに名誉ゲスﾄとして参加するほか、本年のイメージクリエイター（9月に発表予定）として協力を行う。

特別な機会となる今年、マンガバルセロナの来場者とアーティストとの距離をかつてないほど近づけるべく、日本の外務省と出版社、そしてスペインの出版社の協力を得て日本のマンガ作家8名が参加する「マンガフェスティバル」が開催される。ゲストは白浜鴎（『とんがり帽子のアトリエ』）、フジカワ ユカ（『無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜』）、赤坂アカと横槍メンゴ（『推しの子』）、石塚真一とNUMBER 8（『BLUE GIANT』）、フアン・アルバラン（『マタギガンナー』）、阿賀沢紅茶（『正反対な君と僕』）。また、各作家のサイン色紙展示会も開催される。マンガバルセロナのコンテンツアドバイザーを務めるオリオール・エストラーダは、「今年はできるだけ多くのゲストを招へいすることを目指していました。これまでもゲスト作家の存在はマンガバルセロナの最優先事項のひとつであり、多忙な先生方の招へいは決して簡単ではありませんが、周年記念の今年は史上最多のゲスト数を実現する予定です」と述べた。

アニメ分野では、長濱博史（伊藤潤二原作『うずまき』）、朴性厚（パク・ソンフ）そしてヤン・ルガル（『呪術廻戦』）という錚々たる顔ぶれがゲストとして参加予定。メインステージではバーンアウト・シンドローム（『ハイキュー！！』）、大槻マキ（『ONE PIECE』）、Coda（『ジョジョの奇妙な冒険』）らが大人気のアニメソングを演奏する。

今回の記者会見では、30周年を迎えるマンガバルセロナの新マスコットの紹介も行われた。スペインのアーティスト、カルレス・ダルマウが日本のマスコットキャラクターに着想を得て、バルセロナ市街地の歩道にあしらわれた花のモチーフ「バルセロナフラワー」をイメージしつつ日本的なバンダナをつけた親しみやすいキャラクター「オナちゃん」を創作。事務局長メリチェル・プッチは、「オナちゃんはバルセロナの海で生まれました。バルセロナと日本に共通する海の存在は、日本文化と私たちを結びつける数多くの要素のひとつです」と語る。

マンガバルセロナのオーディトリアムではさまざまな映画やアニメシリーズが上映予定で、現在『BLUE GIANT』と新作『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』カタルーニャ語版の上映が決まっている。

今後もマンガバルセロナに関するさまざまなニュースやサプライズがソーシャルネットワークやプレスリリースを通じて発表予定。

マンガバルセロナは2024年12月5日から8日にかけてフィラ・デ・バルセロナ・グランビアのホール4、5、6、7で開催予定。チケットは7月末から販売開始予定。